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[鍼灸あマ指 国試対策] 東洋医学臨床論 痺証 [東洋医学臨床論]

[問題]
◆頸肩腕痛を伴う痺証で、脾胃の運化機能の改善と湿の除去を治療方針とするのはどれか。
1.行痺
2.痛痺
3.着痺
4.熱痺

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1. 問題文からの推測

まずは問題文の「痺証(ひしょう)」について確認してみましょう。

正確には「痹証」という中国の難しい漢字を使いますがここでは「痺証」と記載します。

痺証というのは外邪の「風邪」「寒邪」「湿邪」の3つによって生じる、経絡や筋脈のつまりなんですね。

症状としては痛みやしびれ、麻痺などがあります。

そして、痺証には4種類あり、「行痺(こうひ)」「痛痺(つうひ)」「着痺(ちゃくひ)」「熱痺(ねつひ)」があります。

「風邪」「寒邪」「湿邪」の占める割合によってその4種類のいずれかになります。


(1) 行痺 ・・・主に「風邪」によるもので、痛む場所が一定でない。風痺(ふうひ)とも言う。

(2) 痛痺 ・・・主に「寒邪」によるもので、痛む場所が一定し温めると和らぐ。寒痺(かんひ)とも言う。

(3) 着痺 ・・・主に「湿邪」によるもので、重だるい症状がある。雨天で増悪する。湿痺(しつひ)とも言う。

(4) 熱痺 ・・・「風邪」「寒邪」「湿邪」が熱化することで現れる。「熱邪」によるもの、とする考えもある。冷やすことで症状が軽減する。


そして、問題文ではさらに、「脾胃の運化機能の改善と湿の除去」とありますので、五臓の脾の運化機能を高めるということ、湿を取り除くということなので湿邪を取り除くということになります。


2. 個々の選択肢の確認

個々の選択肢の確認については、上記の通りになりますので再度確認してみてください。

◆1.行痺 ・・・ 風邪による

◆2.痛痺 ・・・ 寒邪による

◆3.着痺 ・・・ 湿邪による

◆4.熱痺 ・・・ 風・寒・湿邪の熱化。または熱邪による。


続きは「3. この問題の攻略法」へ



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3. この問題の攻略法

この問題は、痺証についてその4種類である「行痺」「痛痺」「着痺」「熱痺」について理解できていれば解けますね。

痺証は簡単に言うと整形外科疾患ですね。

筋肉や関節や神経の疾患を、東洋医学的にとらえた時の考え方です。

風邪、寒邪、湿邪のそれぞれの性質がそのまま、痺証の4種類「行痺」「痛痺」「着痺」「熱痺」となっています。

ですので、外邪の性質と一緒に、痺証の4タイプを憶えておくといいでしょう。

風邪は「遊走性」つまり症状があちこちに移動する性質があり、あちこちに「行く」ので「行痺」です。

寒邪は「凝滞性」や「収引性(収縮性)」があり、寒さにより痛みが出ますので「痛痺」です。

湿邪は「重濁性」や「粘滞性」があり、そこに留まる粘着性があるので「着痺」です。

そして風邪・寒邪・湿邪が熱化する、あるいは熱邪が加わることで「熱痺」となります。

今回は、脾胃の運化の働きを改善して、湿邪を取り除くということですので、「着痺」が正解となります。


解答:3 / 分野:東洋医学臨床論 (H20年 はり)







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