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[鍼灸あマ指 国家試験対策] 東洋医学臨床論 肩関節疾患 [東洋医学臨床論]

[問題]
◆「56歳の男性。半年前から右肩関節の痛みが出現した。肩のエックス線検査では異常はない。1か月前から夜間痛はなくなり、肩関節の外転、外旋時に軽度の痛みが出現する。肩甲上腕リズムの異常が著明である。スピードテスト陰性、ドロップアームサイン陰性。」
A. 最も考えられる疾患はどれか。
1.石灰沈着性腱板炎
2.上腕二頭筋長頭腱炎
3.いわゆる五十肩
4.腱板断裂

B. また、疼痛軽減を目的とした局所治療穴で適切なのはどれか。
1.中府
2.臑兪
3.天泉
4.肘リョウ

kataitai1e.jpg

1. 症状および所見から推測

まずは問題文に書かれている症状と所見を確認してみましょう。

(1)56歳の男性。半年前から右肩関節の痛みが出現

・・・ このことから痛みは比較的長期(半年)と言えます。

(2)肩のエックス線検査では異常はない

・・・ このことから器質的な問題ではなさそうです。

(3)1か月前から夜間痛はなくなり、肩関節の外転、外旋時に軽度の痛みが出現

・・・ 痛みの軽減がみられます。また棘上筋や棘下筋・小円筋を疑います。

(4)肩甲上腕リズムの異常が著明である

・・・ 肩の拳上の動きが悪そうです。

(5)スピードテスト陰性

・・・ このことから上腕二頭筋長頭腱炎は除外できそうです。

(6)ドロップアームサイン陰性

・・・ このことから腱板断裂は除外できそうです。


2. 選択肢の各疾患の確認

(1)石灰沈着性腱板炎 ・・・ 腱板の周囲に石灰物が沈着。X線で確認可能。

(2)上腕二頭筋長頭腱炎 ・・・ ヤーガソンテスト、スピードテストで陽性。

(3)いわゆる五十肩 ・・・ 各疾患の除外後に診断されることが多い。

(4)腱板断裂 ・・・ 腱板の損傷によりドロップアームテスト陽性となる。


続きは「3. この問題の攻略法」へ



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3. この問題の攻略法

この問題は肩関節疾患について把握し、理学検査なども理解できていると解ける問題ですね。

上記の分析から、今回の症例は、いわゆる五十肩が該当すると思われます。

そして、局所治療穴として有効なのは、罹患筋として棘上筋や棘下筋・小円筋を疑えるので、その付近の経穴は「臑兪(じゅゆ)」が妥当と言えます。
juyu1.jpg

「中府(ちゅうふ)」は肩の前面で鎖骨下の烏口突起付近なので除外できます。
chuufu1.jpg

「天泉(てんせん)」は上腕二頭筋付近なのでこれも除外できますね。
tensen1.jpg

「肘リョウ(ちゅうりょう)」は上腕骨外側上顆付近なので除外となります。
chuuryou1.jpg

このように罹患筋が確定したらその近傍の経穴を選択することで治療に使うことができるわけですね。

最後にスピードテストとドロップアームサイン(テスト)を確認しておきましょう。

◆スピードテスト ・・・ 上腕を拳上させたとき上腕上部に痛みが出たら陽性。上腕二頭筋長頭腱炎を疑う。

rigaku_speed.jpg

◆ドロップアームサイン(テスト) ・・・ 腕を水平にして徐々に下げたとき支えきれず落下したら陽性。腱板断裂を疑う。

rigaku_droparm.jpg

解答:A:3 B:2 / 分野:東洋医学臨床論 (H23年 はり)

(参考図書「新版 経絡経穴概論」医道の日本社)








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